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木炭の種類

木炭は「白炭」と「黒炭」とに大きく分けられます。それぞれの違いは、焼き方と火の消し方にあり、炭質も異なります。同じ原木を焼いた炭でも、作り方が違う白炭と黒炭では、成分や堅さ、発熱量、火つき、火持ちなどが変わってきます。

 ◆白炭 (はくたん、しろずみ)
白炭は炭焼きの最終段階で窯を開き空気を送り込みます。このために約1300度の高温にまで熱せられてほぼ焼き上がっている炭が真っ赤になり、その後、窯から取り出して灰と土を混ぜた「消粉」をかけて、急激にさましながら消します。このため、炭の表面に白い灰がつき、全体が白っぽいものになります。これが、「白炭」と言われるようになった由縁です。

[特徴]
鋼のように堅く、たたくとキーンキーンという金属のような音がします。火力が強く、火持ちがよいのが特徴です。その一方で、火がつきにくく、使用するにはコツがいります。

[代表的な白炭]
備長炭(紀州地方)・ナラ白炭(秋田、長野地方)・カシ白炭(高知、九州地方)などが有名です。
原料は主に馬目樫(ウバメカシ)、粗樫(アラカシ)など。


 
 ◆黒炭 (こくたん、くろずみ)
黒炭は400〜700度で炭化が終了した段階で、窯全体を石や粘土で密閉し、自然に窯の火が消えて、完全に冷えてから焼き上がった炭を出します。 このため、白炭のように灰がつかず、表面が黒いままで完成となります。黒炭は世界中で多く生産されていますが、日本の黒炭は、生の木をゆっくりと炭化させるため良質の木炭となります。

[特徴]
白炭に比べてやわらかく、火つきがよくて立ち消えも少なめ。昔から金属の精錬や鍛冶、茶道に使われています。

[代表的な黒炭]
岩手木炭(岩手)、池田炭(大阪)、佐倉炭(千葉) ※池田炭と佐倉炭は現在ではあまり作られていない模様。
原料は椚(クヌギ)・楢(ナラ)など。